2011-07-17

「アリとキリギリスの夏」

君は僕のとなりで微笑んでいてくれたね。
なのに僕はそこを飛び出してしまったんだ。


人にはわがままだと言われたりもしたけど、それが夢を実現する方法なんだって信じてやったことなんだ。

上手くいったこともあったし、しくじったこともあった。

今かい?
ああ、しあわせにやっているよ。
キリギリスには、アリのしあわせが時に理解出来なくて、戸惑うことがあるぐらいさ。


夏を謳歌せずに冬仕度に勤しむキリギリスの姿を想像してごらん。

どんなに準備しても冬を越すことは出来ないことをすっかり忘れてアリの生活をしているんだ。


これがキリギリスの人生?
普通のキリギリスには経験出来ない夢のような暮らしぶりに、自分がキリギリスであることを忘れてしまったのかもしれないね。

さあさあ、今夜もお客様がお待ちかねだ。
キリギリスはキリギリスらしく歌を歌って夏を謳歌するものだよ。